若草教会の礼拝堂



 若草教会礼拝堂は、1891(明治24)年7月に日本基督教会金沢教会として、旧・石浦町(現在の農林中央金庫、香林坊・大和デパートの正面左手)に建てられました。天井板をもたず、また圧力のかかる部分に木材を、張力のかかる梁に鉄筋を用いた、特異な構造となっています。冬季の積雪に配慮したものと思われます。
 北陸に福音の信仰を伝えた、米国長老教会宣教師トマス・ウィンにちなみ、「ウィン記念会堂」とも呼ばれています。同宣教師は、北陸伝道に献身し、この会堂で倒れ、召されました。
 また明治期日本のキリスト教をになった高倉徳太郎、逢坂元吉郎らが、第四高等学校時代、ここでの礼拝に集っていました。新約学の山谷省吾博士も、この講壇の下で長老の按手を受けたそうです。
 1955(昭和30)年に日本基督教団若草教会として移築されました。1993(平成5)年の改修をへて、現在も、使用されています。2005年11月には国の登録有形文化財に指定されました。
 説教台と聖餐卓、および講壇の3脚の椅子は、当時のものです。また正面左手に置いてあるリードオルガンは、米国メイソン社製で、1890年前後に製作されました。修理を経て、現在も使用されています。
 座席数:120





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